かんたんなサービスデスクとインシデント管理の運営方法

インシデントとは、トラブルにつながりかねない事象を指す言葉です。ハインリッヒの法則では、1つの出来事の陰には29の軽微な事象があり、さらにその背後には300もの異常があると述べられています。最近では、情報セキュリティの重要性から一歩手前の出来事をインシデント、その背後の異常をヒヤリハットという言葉などで表し管理している企業も増えています。この インシデント管理 は、情報セキュリティに限った事ではなく、製造業における製品管理、医療現場における医療ミスなど、私たちの生活の至るところで今や必要不可欠な考え方と言えるでしょう。では、企業でのインシデント管理を一例とすると、日々様々な部署で発生しうるインシデント報告はどのように収集されるのでしょうか。顧客からの情報提供も貴重であり、この点から サービスデスク もインシデント管理における重要な存在となります。

課題の見極めから整理しましょう

トラブルを発生させないためには、インシデントとそのさらに背後にある軽微な異常を収集、分析し、防止策を考えフィードバックする事が重要なのは言うまでもありませんが、果たして実際の現場ではこの流れがスムーズに運んでいるのでしょうか。ここでは、重要な情報収集の窓口でもあるサービスデスクを例に課題の仮定を行いたいと思います。電話受付をしているサービスデスクで全般的に求められるのは、電話応対のレスポンスの速さです。それ故多くの場合、オペレーターは次々と電話の応対に追われ、顧客から提供される情報の中のインシデントに気づく暇がないのが実態ではないでしょうか。クレーム事案といった目立つものではなくても、問い合わせや意見といった小さな事案にも異常の予兆が含まれているケースは多々あり、それらを拾い上げる事なく流してしまうのは、インシデント管理の点から大きな問題点と言えるでしょう。

情報共有、蓄積が好循環のキーワード

最近では、サービス品質向上の観点から、サービスデスクへの電話の録音が主流となってきました。これにより、多数の入電に含まれる頻出したキーワード、類似する事象をピックアップできるツールも導入されています。これはインシデント管理の事案蓄積という意味で非常に有効なツールです。また、古典的ではあるもののスタッフミーティングもオペレーターが感じた違和感を共有できる有効手段には変わりありません。このように収集、蓄積されたインシデントや異常がなぜ、どこで起きたのかを分析し、社内で共有する事が本当のインシデント管理と言えるのです。そして問題点を原部と一緒に考え、防止策あるいは改善策につなげていけば、トラブルの再発防止に留まらず企業の更なる発展につながる好循環を生み出す事ができるのです。